機動戦士ガンダムを観た

※この記事は、2016年7月5日、9日、31日にtumblrで公開していたものを訂正、編集したものです

 

今までまともに観た事がなかったが、周囲にファンがあまりに多いため、そんなに重要なら1度観てみようか、と思い立つ。
が、作品数が多すぎるため、何から観れば良いのか分からず、ネットで色々調べてみた。以下、少々ネタバレします。

 

 

 

一応、機動戦士ガンダム→Z→ZZ→逆襲のシャアで一括りらしいと分かったので(後にZZは別に観なくて良い、と複数の人から言われた)、暇な時にレンタルして初回からのんびり観てみた。
そんなガンダム素人の僕が、面白かった点をいくつか挙げてみたいと思う。

 

●ネーミングセンスが抜群
ゲルググ、パプテマス・シロッコ、ハマーン・カーンなど、モビルスーツ、キャラクター問わず、口に出して言いたくなるほど名前の語感がユニーク。印象的ですぐ覚えてしまう。どういう所から着想を得てるのだろう…?

●セリフ回しが印象的
「当たらなければどうということはない!」
「砲撃手、なにやってんの!」
監督の富野由悠季にちなんで富野節と言われる独特なセリフ回しの数々。例えばカミーユという10代の男の子のキャラが「やめなさいよ!」とか言うから、「え…冗談なのかな…?」と思ったけど、その感じが面白くて忘れられなくなってしまう。今やネタ半分としてよく語られるが、そういう愛され方をされるのがよく分かるニュアンスだ。
あまりに有名なセリフばかりなので、初めて観たシーンだけどセリフは知ってるという場面がたくさんあった。

●モビルスーツのデザインはやっぱり目を引く
今や当たり前のように目にするが、僕は特にガンダムの口元のデザインとか、かなり斬新な発明だと思う。他にないデザインだと思うし、記号としてすぐ覚えられる。どうやって辿り着いたんだろう?

●予備知識なしで固有名詞がどんどん出てくる
主にZガンダム。人名なのかモビルスーツなのかわからないままどんどん話が進んで行くが、後で調べたら戦艦名だったりする。
今はネットで調べる事が出来るので助かるけど、当時は情報源が限られるから、内容を把握するのが大変だったんじゃないだろうか。
僕がリアルタイムで観ていたとしたら、設定資料集とか買ってると思う。
しかし、ある戦争中に起こったひとつの事柄を切り取って見せてるのだから(語られない所で、同時進行で色々起こっている)、まるでバイト初日に先輩方の専門用語満載の会話を聞いているかの様な疎外感は、リアリティがあるとはいえる。

●大人の事情が見え隠れ
主に初代ガンダムだけど、スポンサーであるオモチャメーカーからテコ入れが入り、ガンダムのオモチャを売るために、それまでのロボットアニメのように、毎回新しい敵モビルスーツを出したり、ガンダムが合体するようになったりしたらしい。しかし視聴率は振るわず、打ち切りになったそう。
再放送やガンプラによる大ブームはその後。
今の大人気を知っているだけに、この出だしはとても意外だった。
言われてみると、確かに中盤以降に合体シーンが突然増えるが、本編とは一切関係なく、言われたから付け足しましたよ感溢れるシーンだった。
3作目ガンダムZZが、当初はそれまでのロボットアニメの様な明るい雰囲気で放送を開始したが、進むにつれ前2作のようなシリアスムードに変化していったのも、似た様な事情があった様だ。
子供の頃なら絶対にわからなかったが、大人になるとこういうエピソードも大変興味深い。

●確かに深い
初代ガンダムだと、主人公アムロ・レイが所属するのは「連邦軍」だが、対する「ジオン軍」は、連邦軍側の圧政に耐えかねて独立しようとしている組織である。
また、ジオン軍の兵達も、家族がいる普通の人間なのだ、という部分も描かれるので、戦争において「どちらが善とも悪とも言えない」という現実的なやるせなさが伝わってくる。
今では子供向けの作品でも非常に良く描かれる価値観かもしれないが、ガンダム以前は「世界征服を企む悪を正義の味方が倒す」という勧善懲悪ものが主流だったはずなので、ガンダムはやはり新たな流れを作った作品のひとつなのだろう。

●大人も悩む
10代である主人公達は思春期なので、心が不安定に描かれるのはわかる。が、それを取り巻く大人たちも、内容は違えど同じように悩んだり揺れたりする。
Zガンダムだと、レコアとエマという女性2人が主義に反してでも女性としての幸せを取るか、主義を優先するかで対立したり、ブライトが主人公達の父親代わりを務められるかどうかで悩んだりなど。
エースパイロットだったアムロも、それまでの環境から卑屈な性格になっており、クワトロ・バジーナに至っては、ララァの死という過去をずっと引きずっており(アムロもだけど)、随分と煮え切らない大人になってしまっている(そして逆襲のシャアで、変な爆発の仕方をする)。
子供の頃は完全無欠のように見える大人だが、いざ大人になってみると、完全無欠とは程遠いものである。
ガンダムのこういった描写は、自分が大人になった今見ると、自分自身や身の回りに起きている事を反映しているようで、とてもリアリティを持って突き刺さってくる。

●ニュータイプが悲しい
宇宙生まれ、宇宙育ちの新世代の人類が身に付けている能力。他人と深く共感しあえる事ができるので、人類の次なる進化として、未来への希望として描かれそうな所を、結局軍事利用ばかりされていてとてもせつない(逆襲のシャアのラスト、ニュータイプであるアムロの行動と、周囲の反応はもしかしたら希望かもしれないが)。
現実に存在していたら同じ事になりそうで、ここでもまたリアリティを感じる。

 

とんでもなく長くなってしまった。
それだけ興味深い点が多かったのだと思う。

ちなみにガンダム人気を支えた物のひとつにプラモデルがあるが、僕が子供の頃はSDガンダムという、デフォルメされた小さいガンダムがブームだったので、頭身の大きなガンダムは作った事がない。

 

●参考にしたサイト
熱血解説!ガンダムの魅力
http://kajipon.sakura.ne.jp/art/gundam-m.htm

俺選ガンダム名セリフ ・データベース
http://www.st.rim.or.jp/~r17953/impre/Anime/Gun/Gun_Top.html

『Zガンダム』のラストがどういう意味だったのか、ようやくわかった
http://yamanashirei.blog86.fc2.com/blog-entry-1905.html

機動戦士Zガンダム放送リスト
http://ifs.nog.cc/amthxic.hp.infoseek.co.jp/Zrist.htm

機動戦士Zガンダム回顧録
http://zgundam2nd.exblog.jp/1552001/




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